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遺産分割基礎知識

相続人(遺産分割協議参加者)

遺産分割協議は、相続放棄をした者以外の
相続人全員が行わなければなりません。

相続放棄はしていないが、相続分がゼロになるような者が
いる場合でも、その相続人は遺産分割協議に参加
しなくてはなりません。

また未成年の相続人も当然に参加しなくてはなりませんが
その場合は未成年者の法定代理人が協議に参加します。
(未成年者の同席を否定するものではありません)

通常、未成年者の法定代理人はその両親なのですが
両親自身が相続人である場合は、利害が対立する恐れがあるの
家庭裁判所に特別代理人の選任を請求する必要があります。

また相続人に行方不明者がいる場合でも
この者をはぶいた遺産分割協議は無効になってしまうため
家庭裁判所に行方不明者の不在者財産管理人の選任を
請求する必要があります。

さらに法定相続人以外でも遺言等で
被相続人から包括遺贈を受けた者は遺産分割協議に
参加する必要があります。

包括遺贈とは、相続財産中の具体的な物や金額を指定せず
割合だけを示した遺贈の形式の事です。
(包括遺贈を受けた者を包括受遺者と言います。)

包括受遺者は相続人と遺産分割協議で
具体的に何をもらい受けるかを話し合うことになります。
包括受遺者は親族とは関係の無い第三者である事もあります。

遺産分割協議は、相続人はもちろんの事
相続財産に権利義務を有する者全員の参加が絶対条件であるため
遺産分割協議前の相続人調査と権利者調査はとても重要です。

 

相続財産(遺産分割対象財産)

遺産分割協議の対象となる財産は、
被相続人が残した財産全てです。

具体的に言えば、金銭、預貯金、有価証券、不動産、動産などの
金銭的価値のあるもの全てです。

また金銭的価値はあるものの分割対象とならないものとして
配偶者居住権があります。
配偶者居住権は、被相続人の配偶者のみに与えられるため
分割されることはありませんが財産として算入が必要です。

ちなみに金銭的価値の無いもの、例えば故人の持ち物も
分割の対象にはできますが、金銭的価値のあるものと
同じタイミングで分割するのはあまりお勧めはできません。

また被相続人から相続人に生前贈与や遺贈があった場合
(これらを「特別受益」と言います)
これも相続財産に算入します。(これを「持ち戻し」と言います)

持ち戻しの関しては何年前の贈与まで遡ればよいかの規定がありません。
そのため相続人間でどの範囲までを持ち戻しにするかを決める必要があります。
(相続人間で持ち戻しは不要と合意することも可能です)

ただし、あまり古い贈与まで持ち戻しにすると際限がなくなるので
通常は10年、長くても20年くらいが目安となっています。
(ちなみに遺留分に関しては10年と法定されています。)

これら全ての財産の金銭的価値を算定し、遺産分割の対象財産とします。
算定で難しいのは動産です。特に美術品は鑑定が必要となる場合があります。

遺産分割協議は一度にすべての財産を分割するのはなく
価値の算定が難しいものはいったん外して
価値が分かるものだけを分割の対象にすることもできます。

また取り敢えず預貯金だけ、不動産だけを対象として
遺産分割協議を行うことも可能です。

ちなみ財産には負の財産、つまり借金も含まれます。
よって負の財産についても分割協議をすることができます。

ただし、負の財産の分割に関しては、あくまでも内部的合意であり
債権者に対してはその分割を主張できないため、債権者は
各相続人に対して法定相続分に従った金額の請求ができます。

遺産分割協議では相続財産の確定は絶対事項であり
見落としがあると分割協議が意味の無いものになってしまうので
注意が必要です。

 

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